[上田バーティカル]”走れる”ってこんなにツライんだ(後編)

(この記事は、前編の続きです。)

大星神社を勢いよくスタートし、山道に入ってからは、しばらく走り続けました。

申告タイムの遅い順にスタートしていますから、山に入る頃からは、前の選手をどんどん追い抜いていきます。

みなさん、後ろの気配に気づいて道を譲ってくれて大変ありがたく、そのぶん「早く通過してあげないと・・」なんて思ってしまうので、そのシーンはついペースが上がってしまいます。

また、こちらもできる限り勢いを殺さずに抜いていきたいのですが、「道を開けてください!」と言い続けて登るのも中々体力のいる作業でして、時々止まったり、前の人のペースに合わせて歩いたりしながら、なんとか進んでいきました。

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止まると気持ちが切れる・・

あまり言い訳はしたくないのですが、やっぱり足を止めてしまうと、気持ちが切れてしまいます。

ずっと走り続けているうちは、リズムに乗って進めるのですが、一度ゆっくりになったリズムをもう一度速くするのは、とてもツライ・・。

誰かを抜く場面だけでなく、コース上何度も、走れるか走れないか、微妙な勾配の坂が待っています。おそらく、我慢すれば走れるのですが、自分に負けて歩いてしまいます。

「走れるはずなのに走れない」「走れなきゃいけないのに歩いている」そんな悔しさに襲われ、自分に負ける。ツラい戦いが続きました。

 

途中で捻挫

上田バーティカルは、途中で下りの区間が入ります。

出典:uedavertical.com

 

この区間、画像ではわかりませんが、実際にはジグザグな道のりです。

その角で、右足外側を軽く、捻挫してしまいました。

 

事前説明にて「下りはテクニカルなコースなので気をつけるように」と言われていたそのままに、気をつけて下っていたのですが、技術が追いつかずに捻ってしまった、という感じでした。

 

痛みはありましたが、棄権するほどの捻挫ではなかったので、そのまま走り続けました。

富士山とは違い、思い切って下れない山道は、怖いですね。

 

後半の登りは「登山力」で完敗

写真はイメージです。現実はもっと急勾配。

 

後半にある急勾配は、ジグザグではなく直登でした。手を使わないと登れないような坂で、ランニングの世界とは全く違うスポーツの様相でした。

段差の高い階段を登り続けるような、筋力勝負という感じ。僕を抜いて行ったトップ選手たちは、みな鍛え上げられた脚の筋肉を持っていました。

ずっと平地ランニングで生きて来た僕に見せつけられた現実・・・笑

 

急勾配を抜けると・・ようやくフィニッシュ!

バーティカルレースの難しいところは、未経験のコースだと、いつ終わるのか分からないところ。

所々に置かれている「+D600」といった累積標高の看板を頼りに、自分がどのくらいまで進んだのかを把握します(全体で+D1000)。

 

終盤、大勢がワイワイと応援しているような場所があったので「ついにフィニッシュか!?」と期待するも、ただの応援スポットだった・・という場面を2度通過。

そんな好影響(?)も受けながら、終盤はそれなりに速いペースで走り続けられたと思います(そのぶん凄くキツかった・・)。

 

そしてフィニッシュ。

みんなが温かく迎えてくれました。

 

市街地を見下ろす。ここまで登って来たんだなーと、しみじみ。

バーティカルレースは、この瞬間が一番幸せです。

 

自分に何度も負けながらも、それなりに出来ることをやって、ここまでたどり着いた。

弱さを受け入れ、頑張った自分も認めてあげる。

ダメな自分だけじゃないから、少しは許してあげよう。(とか言ってるから負けてしまうのだが)

 

山頂で自撮りしてみた(笑) つらそう・・(余裕なし)

 

フィニッシュ地点、ちょっと走れる区間なので、カメラマンも走って撮影。素敵な動画が作られます。→大会公式

 

粟ケ岳で感じた「腰(背筋)」の弱さについて

先月の粟ケ岳バーティカルのブログに、こんなことを書いていました。

今回のレース中でお尻やハムが疲れてしまった場面は案外少なく、「腰」のダメージが出力低下を招いてしまいました。
鍛える場所を間違えていたのかもしれません。対策を考えます。

 

あれから10日間しかなかったため、背筋の強化とはいきませんでしたが、

背筋まわりの可動域を広げる意識で、日頃のウォームアップの中で重点的に、肩関節〜腰回りを動かしてきました。

コースの様子が違うので一概には言えませんが、粟ケ岳のときよりは、腰の疲れで出力が弱まっていると感じる場面は少なくなっていました。多少なりとも、効果はあったと思っています。

 

総合的に、バーティカルレースは、ランニングで鍛えられる心肺機能、持久力が活かせる場面が多いのですが、

やっぱり違うスポーツなので、特有の筋力、体の使い方という面では、その専門の人に全く及ばない場面が多々あることを、痛感しています。

彼らも当然「ランナーなんかに負けない!」と思って、この競技に取り組んでいることと想像します。なので、それに敬意を示す意味でも、これからのバーティカルレースやトレランレースに向けて、その競技特有の動きをしっかりと鍛えておこうと、心に決めたレースでもありました。

 

また、ランナーとして、走れる区間だけは、どんなに辛くても走り続けたい・・そう思ってトレーニングを続けて来ましたが、目指すレベルには全然、足りていないことも痛感。

まだまだ、やることがたくさん、課題山積です。

 

今後の予定

5/19−20 相模原市民選手権(1500m・5000m)
6/2 琵琶湖バーティカル

 

Special Thanks!

スタート前「Citymarathonのいしざきさんですか?」と声をかけてくれた有馬さん。

800mのマスターズチャンピオンでありながら、こうしてスカイレースにも参戦されているとのこと。

僕も、日体大記録会などでお見かけしたことがある方でした。慣れないスカイレースという場で、トラックやマラソンの話ができて、とてもリラックスできました。ありがとうございました。

 

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