こんにちは。こういうときだけスカイランナーのいしざき(@zaki84920)です。
8月7日に開催された富士登山駅伝。新型なんとかウイルスの影響とかで3年ぶりの開催となった本大会で、僕はチーム事情により6区(山頂区間)を走ることになりました。
結果は49分31秒で区間3位。
様々なラッキーが重なり、順位だけ見るとなんだかすごいように見えますが、実際それほどすごいわけでは無いと思うので、できるだけ冷静に振り返ってみたいと思います。
これまでの富士登山駅伝
ご存知の方もいるかもしれませんが、2017年に山岳区間に入ってからの富士登山駅伝は、とにかく「相性が良いレース」です。
富士登山駅伝、数えてみたら今回で9回目の参加でした。
あと一回は出たい。2011 2区23位 10区15位
2012 2区24位 10区34位
2013 2区28位 10区29位
2014 (メンバー入れず補欠)
2015 2区27位 10区24位
2016 4区26位 8区10位
2017 5区17位 7区4位
2018 5区16位 7区5位
2019 5区13位 7区1位
2022 6区3位 pic.twitter.com/HxrglYwRz6— zaki (@zaki84920) August 8, 2022
前回7区の区間賞ももちろんですが、
登り区間も自分がタイムを落とすと周囲もタイムを落として区間順位的には上がっていったり。
感覚としては、僕個人の特性として
- 無理に気合を入れたりせず淡々と走るタイプ
- 平地のRUNで「蹴り」が弱い=砂地には良い作用になっている
といったあたりが、この駅伝との相性を高めているような気がします。
(しかし、7区だけ何故あんなに速く走れるのかは本当によく分かっていない・・器用だからかな?ドリルとかは割と上手にできるほうだし)
山頂区の試走は「面倒くさい」ww
今回、初めて山頂区にチャレンジしたわけですが、やってみて分かったことは「まぁとにかく面倒くさい区間」だということ。
例えば、試走をする選択肢は主に以下の2つ。
4区(3km)と5区(4.2km)を歩いて進んで中継所まで行ってから、6区を試走する。
→お金はかからないけど走り出すまでに疲れてしまう(標高差1700mも上る)。
水が塚公園に車を止めてバスで富士宮口まで行ってから中継所に移動し、6区を試走する。
→標高差700mぐらいで済むので疲労は少ないがお金がかかる(駐車場1,000円+バス往復2,000円)、時間もかかる。
結局、お金が惜しくなってしまった僕は前者を選択したわけですが、結局途中で疲れてしまい、山頂区の試走ができたのは僅か1回。。
とはいえ、過去何度も富士山に出向きながら一度も登頂したことが無かったので、山頂に行けたのは良い思い出になった・・かな。
5区71'
上り50-'下り21'
うーん、ボロボロですがあとはレース補正に期待!!!😆😆 pic.twitter.com/7WLa7ZEoQg— zaki (@zaki84920) July 24, 2022
富士山トレーニング履歴
6/11 4区[37'10]+5区小屋まで[30'25]
6/26 4区[46'00]+5区途中まで(小屋にも行けず)
7/10 4区38'30/5区小屋32'30
※ここで担当が6区に決定※
7/23 4区Walk52’+5区小屋32'30+6合目19'
7/24 4区Walk56'+5区Walk91'⇒6区71'(上50'+下21’)
7/30 4区Walk53’+5区小屋29'50+6合目17'+7合5勺Walk
その1回(7/24)は1時間11分かかってしまいましたが「さすがに4区5区進んだ後だから仕方ないよね」と割り切って、特に落ち込んだりすることは無かったと思います。
秘策。レジェンドの助けを借りる
ただ、やっぱり心配になったんでしょうね。前回46'12で区間2位だった西山さんの力を借りました。
「どんな配分で走ったんですか?」「気を付けることは?」「ラップタイムは?」等、たくさん聞かせていただきました。
西山さんが包み隠さず全部話してくれたおかげで、かなり気がラクになりました。
- 「最初の赤岩8合館まではとにかくゆっくり10分以上かけて走る」
→7/24の試走で、赤岩8合館まで飛ばして9分台だった記憶があり「少しゆっくりでも大丈夫なんだ」と思えた。 - 「小屋跡を過ぎたつづら折り区間が一番大事だからそこまで足を残しておく」
→7/24の試走では完全に脚が止まっていた=失敗できた。本番は気を付ければ、それほど難しいタイムではないと思えた。 - 「つづら折り区間は結構歩く。トップ選手でも走り通すのは難しいのでは。」
→これ聞けたのが一番収穫だった。自信をもって歩こう。 - 「下りは上手くいけば11-12分でいける」
→下りは得意なのでそれほど大差なく行けるだろう、という根拠の薄い自信。
結局、大した試走はできずとも、ある程度コースの特徴は理解し、取るべきラップタイムも理解し、あまり「不安」はないまま当日を迎えることができました。
そして当日の強運
何より、僕は「前日山小屋泊」をしたことがない。笑
他の選手たちは(僕の勝手な想像だけど)例年の移動と同じような感覚で?登山道をせっせと上っていく。普通に速い。
僕は歩くのがめちゃくちゃ遅い。ゆっくり・ゆっくり時間をかけて、時々座り休憩を入れながら上る。
僕はとにかく、瞬間的な疲労に対するセンサーが繊細なほうだと思う。
これから6区を走るのに、脚が重いと感じると、身体がすぐに拒否し「止まれ」のサインを出す。
結果的に多くの選手に抜かれながら、中継所に着くまで2時間半ぐらいかかったけど、思い通りに脚を残すことができたと思う。
そして、、僕は「前日山小屋泊」をしたことがないわけなので、
「試走のとき(4区5区歩いた)よりメッチャ脚軽い!これイケるかも!」
となったわけです。比較対象がおかしかったんですね。
高地順応については生まれ持ったものだと思う
実は2週間前の試走が御殿場口からの初登頂。昔吉田口から登頂したことはあるから富士山登頂は2度目。
そんな中で完全なビギナーズラックをかましてしまったわけですが、確かに人生を振り返ってみれば標高の高い場所で息苦しいとかあんまり思ったことがない。意外と6区向いてたのかも。— zaki (@zaki84920) August 9, 2022
今回は「当日登山」でしたが、正直「酸素が薄い」とか「呼吸が苦しい」とか、何も感じず普通に走れてしまいました。
これは5区の頃からそうですね。なぜだか分かりませんが、自分の身体はあまり標高に影響を受けにくい(日頃から出し切れていないだけ?笑)のかもしれません。
当日の心境
今回、チームの戦力的にタスキを下位でもらうことは分かっていたので、順位を気にしなくて良いのは本当に気がラクでした。
案の定、僕がタスキをもらったのは6区の先頭が走り終わってからでした。笑
タスキをもらってから序盤、しばらくの間は一番気になっていた心配事
「試走のとき、赤岩八号館まで9分台だったような気がするけど、勘違いじゃないと良いな・・」
を確認したい気持ちで頭がいっぱいでした。
西山さんの言いつけ『赤岩までに息が上がってしまったら終わり』の匙加減を守りつつ、歩かないように気を付けながら進む。
赤岩八号館が終わるところでLAPを確認。9分54秒。
ホッ。。この時点で西山さんより少し早い。
そこから階段区間、西山さんは「少し歩く」とのことでしたが、ここを歩かずクリア。
もうその時点でけっこう安心。『けっこう稼いだやろ。ちょっと歩こう』と、早めに歩行を選択。
結果的にはこの判断も正解だったか。
小屋跡には友人(6区の先輩・45分台)がカメラを構えて待ってくれていた。テンション爆上がり。
こんなところで応援してくれるのは、本当に気持ちが良い。
それだけじゃない。今日ここで登山をしてる人の多くは「駅伝を見に来ている人」たち。
『橋本・・あぁ、相模原のチームか。』
『おっ、良いペースだよ!上り走れてるよ!』
と、かなり踏み込んだ声掛けをしてくれます。笑
で、この小屋跡のLAP確認は遅くなってしまったものの、この区間は6分台の後半でクリア。予定通り。
前回の西山さんペースには、少し追い付かれた感じか。
そこからつづら折り区間へ。
「歩いても良い。ペースさえ落とさなければ良い。」
この「歩いても良い」という前提があるだけで、どれだけ気持ちが楽になったことか。
ありがとう、西山さん。
走れそうなところはなるべく走り、急坂は無理せず歩く。感覚的に走ったのは3割ぐらいか。
ちゃんとスパートすべきところもスパートできた。おそらく、今の自分としては完璧な配分だったと思う。
山頂でハンコを貰い、時計を確認すると36分20。
「おっ。下り上手く走れば48分台見えるんじゃね??」
と一瞬の妄想もつかの間、
テクニカル・・っていう以前にたぶん走ってはいけないであろう岩場の連続にソッコーで心が折れる。。
7区の時の様にトントントン~と身軽に行きたかったのだけどそんなことできるはずもなく、
たどたどしい走りで何度も転びそうになったりコースアウトしそうになったりしながら下りていく。
というか、ほんと疲れる、このコース・・何度も「いい加減もう終わりで良くね?」とか訳の分からないことを考えながら、終わるはずもなく下っていく。
(そういえばタスキ貰ったのが下位だったから、上ってくる選手もあまりいない。山頂区は下位の方が、タイムが出るかも!?笑)
そんなこんなで、なんとか転ぶことなく&50分を切って終えられたわけですが、今の自分の力を考えるとあまり反省点はなく「今年これ以上の結果を出すことは難しかっただろうな」という感触を持っています。
つまり来年以降、もっとタイムを上げていくには、この区間の走力そのものを上げていくしかないわけです。
まとめ
ほんと、様々な要素が重なった3位だったと思います。
普段なら10-15位ぐらいのタイムですからね・・・
- 参加チームが少なかった。トヨタとGGRCがいなかった分は少なくとも2位上がったはず。
- 「当日登山」が僕にとってはマイナスではなかった。
- 前泊による高地順応が僕には不要だった?
- 前回まで活躍した西山さんのノウハウを活かすことができた。
- チーム順位が下位だったからノンプレッシャーだった。
- 下位だと下りで往路ランナーとのすれ違いが少ないことも有利だった?
来年もまたこの区間にチャレンジしたいと思ってるけど、
通常通りの方式になると、それなりにアドバンテージを失うことになるので、本当の実力が見えてくるんだろうなぁと想像しています。
それはそれで、楽しみですけどね!
オマケ:YouTubeに山頂区ほぼ全選手の映像がUPされていました
ありがたいですね。応援にきていた一般の方のようですね。
僕は上り16分30秒すぎ、下り23分30秒すぎ に映っていました。