「正しい情報」にたどり着く唯一の方法

こんにちは。市民ランナーのいしざき(@zaki84920)です。

 

新型コロナウイルス(Covid-19)の騒ぎの中で「何が正しい情報なのか分からない!」と困っている方を、多く見かけるようになりました。

 

そんな状況を観察している中で、少しずつ「正しい情報にたどり着く方法(※)」が分かってきました。

少しでも、誰かのお役に立つことができたらと思い、僕なりにまとめてみたいと思います。

※「正しい情報にたどり着く方法」という表現が、この記事の正確な答えではないのですが、この段階ではそう表現した方が良いとの判断で、このように記載をさせていただきました。答えが気になる方はぜひ、後半まで読み進めてみてください!

 

この世に「間違った情報」なんて存在しない

いきなり煽るような見出しですが、人が情報処理を誤らないためには、この考え方がどうしても必要です。

 

「この世に、間違った情報など、一つも存在しません。」

 

これは「世の中の全ての情報が正しい」という意味ではなく、情報というものに「正しい」も「間違っている」もないんだよ、というのが言葉の本質です。

 

『えっ?世の中にはフェイクニュースとか、情報伝達ミスとか、間違った情報いっぱいあるじゃん!』

そう思われた方は、一歩立ち止まって、考え直してみましょう。

 

「情報」とは、何か。

 

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「情報」ってそもそも何?

僕なりの答えとしては、一般に「間違った情報」と言われるものに振り回されやすい人は、

情報を取り入れる段階で「解釈」を挟む癖がある

と考えています。

 

どういう意味かというと、例えば新型コロナに関する以下のニュースを参考に、考えてみましょう。

 

 

米政府高官は23日、新型コロナウイルスが太陽光によって急速に不活性化するとの研究結果を発表した。夏の間は感染拡大が収まることが期待される。
米国土安全保障省長官の科学技術顧問を務めるウィリアム・ブライアン氏はホワイトハウスで記者団に対し、「太陽光には、物質の表面と空気中の両方に存在するウイルスを不活性化する作用があるとみられる」と明らかにした。

 

ニュースを、どう読むか。

一般に「間違った情報」と言われるものに振り回されやすい人は、

このニュースを

「へぇ!新型コロナって、太陽光で弱くなるんだ!」

のように理解してしまうことが多いような気がします。

(僕も意地悪なので、わざとその部分を赤字にしています。)

 

だから、のちに「ごめん、やっぱり新型コロナは太陽光を当てても弱くならないよ!」みたいなニュースが流れてくると、

 

『なんだよー、この前のニュース、間違ってるじゃん・・』

 

といった具合で、”間違った情報” に一喜一憂することになってしまいます。

 

しかし、この考え方には大きな落とし穴があります。

最初のニュースの中で、実は「太陽光を当てると新型コロナウイルスが必ず弱くなる」ということは、誰も言っていません。(←ここ超重要)

 

ニュースの中で言われていることをまとめると、

  • ウイルスの半減期を調べたよ(消滅するまでの時間、ではない)
  • 気温21~24度、湿度20%(の無孔質の表面)では半減期が18時間だったよ
  • 湿度が80%に上昇すると、半減期は6時間に減少したよ
  • これに太陽光が加わると、半減期は2分にまで減少したよ

 

もう少し大事なことを付け加えておくと

  • っていう実験をアメリカの国立生物兵器分析対策センターがやってたよ
  • っていうことを米国土安全保障省長官の科学技術顧問が言ってるよ
  • っていうことをAFP BB Newsというサイトが伝えているよ

 

雑に要約すると

ぼく
新型コロナを多湿環境に置いて太陽光を当てたら半減期が短くなる、っていう実験結果がアメリカの研究所で出たよ、ってアメリカの偉い人が言ってたよ、って新聞に書いてあったよ。

 

という感じでしょうか。

でも、これが捉えるべき「事実」です。

 

たまたま実験の条件が揃っていただけかもしれませんし、

太陽光以外の影響がなかったと言い切れるような情報は(少なくとも記事には)書かれていませんし、

そもそも、何回実験したのかも書かれていません。

 

一般に、こうした影響力の大きな実験は1回ではなく多く繰り返すものですし、太陽光の影響も「他の変化が影響しないよう最大限配慮して」実験をするものですが、
「ちゃんとした所で実験してるんだから、間違いないだろう」というのは、事実として記載がない以上、読み手側の解釈(推測)でしかありません。

(そもそも、実験の論点は「半減期」ですから、もしウイルスが100万いたとすると、2分後に50万まで減るという意味です。30分も経てばほとんどのウイルスが不活性となりますが、まだ30個ぐらいは残っている計算になります。絶対安全と言い切るのは難しいです。)

 

情報を正確に処理できる人は、こういったニュースを見ると

『なるほどー。(詳細は分からんけど)そういう実験結果があるのかー。』

みたいな捉え方をします。

 

なので、後にこの実験結果を覆すような、別の実験結果がニュースで舞い込んできても、あくまで情勢は一対一。

『対立する実験結果が出てきたのね!どっちの実験の方が信頼性が高いだろう・・?』

『他の研究所で、似たような実験やってないかな?そっちの結果はどうなんだろう?』

みたいなところに、興味が湧いてくるわけです。

 

多くの人が「情報」だと思っているものには、実は「事実」と「解釈」が混ざっています。

正しい情報にたどり着くには、

 

自分が見た・聞いた純粋な「事実」

と、

事実をもとに考えた「解釈」

 

この2つを分けて認識することが、ものすごく重要です。

 

新型コロナで流行したデマの正体

新型コロナウイルスに関連して、本当にいろいろなデマが流れましたね。

最も印象的なもの(自分比)では、2月後半に流行した<27度コロナ死滅説>でしょうか。(勝手に命名)

 

新型コロナウイルスは26−27度のお湯で死滅する。みんな、お湯を飲もう!

ってやつ。

 

僕の元に届いたもの(原文ママ)はこちら。

とあるランニングチームのグループLINEで届きました。

 

国の医療機関に勤めている友人からコロナウイルスの対策情報いただきました。
是非拡散させてください。
今回のコロナウィルスは非常に熱に弱いことがわかりました。
耐熱性に乏しく、26-27度の温度で死滅します。なので、より多くのお湯を飲んでください。
お湯を飲むことはすべてのウィルスのためにも効果的。冷たいものは厳禁です。

2月末から3月末はウィルス感染が沢山発生します。
外出時も暖かいお茶などをポットで持ち歩いて飲んで下さい。
ポットを持って出かけられない時は出先で熱いお湯や白湯を調達して頻繁に飲むように。
国の対策が後手後手になってる今、個人それぞれが責任を持って行動し、これ以上広まらないよう、くれぐれも気をつけて下さい!

 

今となっては笑い話ですが、新型コロナウイルスがどういうものなのか、ぜんぜん情報がない中で、こういった「国」「医療機関」といったキーワードから発信される情報は、藁にもすがる思いだった人にはとても嬉しい情報だったと思います。

(恥ずかしながら、僕も最初はあまり疑っていませんでした。「情報ありがとうございます」って普通に思ってました。)

 

これも、正確な情報の捉え方をするなら

  • (経緯は分からないが)26-27度で新型コロナウイルスが死滅したという実験結果があるらしい

 

ぐらいの捉え方になるでしょうか。

 

ウイルスが生命体なのか(=そもそも死滅する存在なのか)という議論は置いておいて、誰かが「27度で死んだ」と言っているわけですから、どこかに27度で死んだ新型コロナがいたんでしょう。

人間と同じように、ウイルスにだって強弱あるでしょうから、27度で死ぬことだって、あると思います。

もしかしたら、別の事情で瀕死だったヤツに、トドメを刺しただけかもしれません。

 

回ってきた言葉が本当・嘘のどちらだったとしても、誰も「27度で新型コロナが一つ残らず死滅する」とは言っていないわけです。

 

27度で死んだヤツがいる

という話と、

27度で全てが死ぬ

という話は、意味が全く異なるということ。

 

人間に置き換えてみたら、すぐに分かりますよね?

『○○という殺虫剤を吸い込んだら死んでしまった人がいる』

と言われて『人は殺虫剤で死んでしまうのか・・弱い・・』と理解する人って、あまりいないと思うんです。

 

  • どれだけ大量に吸い込んだんだ?
  • どれだけ強烈な殺虫剤なんだ?
  • 何かアレルギーや持病でもあったのかな?

 

と、疑問を持つ普通の感覚を、未知のパニックの中でも持てるかどうか、

その鍵は「事実を言葉通りに読むこと(&それができる冷静さ)」だと思います。

 

<27度コロナ死滅説>も、後に否定はされましたが、きっとあのような情報が流れたということは、そう思わせるような実験結果があったのかもしれません(無かったのかもしれません)。

 

ただ、あの段階で「そういう情報を流した人がいる」という読み方、

つまり

「実際に書かれている事実以上の余計な解釈をしない」

という情報処理ができれば、少なくとも自分の中にデマは存在しなくなります。

 

「新型コロナウイルスが26-27度で死んだという話を医療機関の誰かが言っている」

 

という理解に留めておけば、その情報も正しかったわけです。
(大元の情報ソースが嘘でなければ、ですね。ただここまで読んでいただいた方は、その真偽を突き止めることにはあまり意味がないことを、理解してくださっていると期待しています。)

 

最後、決めるのは自分自身。

まとめになりますが、世に流れている全ての事実(データ)は「正しい」です。

流れてくる事実(データ)を勝手に解釈しているのは、自分自身です。

 

つい信じてしまう絶妙なフェイクニュースも、虚構新聞のような極端なフェイクニュースも、

「このニュースサイトが、このように報じている」

と理解をすれば、絶対に間違いはありません(実際に、提供されている情報はそれしかない)。

 

しかし、もしそのニュースを「唯一絶対の答えだ」と解釈してしまったなら、それは情報の受け手自身の責任です。

どこかの誰かが「これが唯一絶対の答えです」と言ったとしても、

「あの人が唯一絶対の答えだと言っている」

というデータが、自分に元に届いただけのことです。

 

そのデータを、僕は、あなたは、どう解釈するか。

もう、誰かのせいにするのは、やめにしましょう。

 

※あとがき:冒頭に書いたように【「正しい情報」にたどり着く唯一の方法】というタイトルと記事の結論が微妙に合致していない事情は、ご理解いただけましたでしょうか。。他にもっと良いタイトルがあれば良かったのですが、正しい情報を求めて彷徨っている方にこそ、この内容を知ってもらいたかったので、このまま残してみました。違和感をもたれた方、ごめんなさい。あと、けっこう偉そうに書いてしまってごめんなさい。

 

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