どうか、本人に届かない範囲でバズってくれ。笑
元野球部の叔父(いま70歳ぐらい)に会うと、いつも決まって「10kmのタイム」の話になる。
叔父『10kmはどのくらいで走れる?』
ぼく「いま1万のベストは35分**秒です」
叔父『俺が高校の時、いつも走らされてたコースが10kmぐらいあったんだけど、俺はいつも30分ぐらいで走ってたよ。』
ぼく「えっ・・!?10kmを30分ですか・・!?」
検証。
叔父が高校生の時、といえば、1965~67年あたり。この頃の高校生のレベルを測る指標として、調べられるものは、全国高校駅伝の記録ぐらいでした。
※ちゃんと区間記録まで全部残ってるのがすごい・・・
10kmを走る1区の上位記録を確認してみました。
- 1965年(第16回大会) 1位30分30秒 2位30分46秒 31分切り=4名
- 1966年(第17回大会) 1位30分31秒 2位30分38秒 31分切り=7名
- 1967年(第18回大会) 1位30分19秒 2位30分41秒 31分切り=5名
高校駅伝の1区は上り基調であるため、このタイムが当時のトップ高校生の10kmの実力であると言い切ることはできませんが、
当時の高校生において、10kmで30分台を出すということが如何にハードルの高いことなのかが、理解できます。
叔母『この人、こう見えても、すごかったのよ。』
ぼく「そうなんですね・・びっくりしました。本当にすごいですね。。」
心の中「当時、日本のトップの高校生が調整をしてやっと出すことのできた30分台を、日常的にマークしていたと・・!?マジで!?それすごくね!?!?」
・・って、そんなわけがあるはずもなく。
多くの陸上競技経験者が「そんなわけあるか」と思ったことと想像していますが、
その理由は、提示された記録に一切の正確性がないからでしょう。
僕も初回は驚きのあまり、叔父うけするリアクションを取りすぎたのだと思います。
その後も、会うたびに叔父は僕に同じ話をするようになり、僕の中で疑惑は膨らんでいきます。
”「ぐらい」って、どのぐらいだよww”
- 10kmぐらい →正確には何メートルなん?どうやって測ったん?
- 30分ぐらい →で、何分何秒やったん?
ぼくも一応は競技経験者ですから、10kmぐらいで30分ぐらい、と言われても、叔父の言う「ぐらい」がどの程度なのかによって、その価値がいくらでもブレてしまうことは、承知の上で適当に返事をするようになりました。
10.0kmを30分00秒で走った =当時の高校チャンプを超える逸材(だったのかもしれない)
9.50kmを30分29秒で走った =10kmは32分05秒 …「本当にすごいランナーだったんですね」
9.10kmを32分10秒で走った =10kmは35分21秒 …「日常的にできるのはすごいですね」
色々考えてみると、高校時代の叔父が結構すごいスポーツマンであったことは間違いなさそうですが、
「10kmを30分」と言われるほどのインパクトは、少し薄れてくれたのではないでしょうか。
陸上競技で生きてきた人は、100分の何秒とか、1cmとか、そういう世界で生きていますので、
「何分ぐらい」という時間の捉え方をあまりしない傾向にありますね。
最後に
おじさん、万が一コレを見てたら、うちの親父にご一報くださいww