「もったいない」の使い分け
過去に引きずられて幸せですか?

普段、何気なく使う「もったいない」という言葉には、2つの意味があると思う。

 

1つは、資源の有効活用。

「そのケース、まだ使えるんだから、捨てたらもったいない。」

「そのケーキは当日中が一番おいしいから、今日食べないともったいない。」

これらは、今目の前にあるモノを、如何に有効に活用するか。資源を有効活用することで、得られる満足度を最大化したり、未来に発生するコストを最小化する発想。

  • まだ使えるケースを捨てずに使い続ける。→新しく買うコストを払わなくて済む。
  • 今日が美味しいケーキを美味しいうちに食べる。→同じモノから高い満足度を得られる選択をする。

こういう発想はおおいに取り入れていきたいと思う。

 

もう1つは、埋没コスト。

過去に支払ったコストが無駄になってしまうと、その支払い済みコストのことを「埋没コスト」と言う。

「せっかくここまで頑張ってきたのに、ここで諦めたらもったいない。」

「せっかくここまで来たんだから、最後までやり切らないともったいない。」

過去に支払ってしまったコストを無駄にしないために、未来の行動を考える発想。

 

過去の頑張りを無駄にしないよう、諦めずに続ける。

過去の道のりを無駄にしないよう、最後までやり遂げる。

 

一見、美しく見えるこの「埋没コストを回避する」という発想。

これが、マズい。

 

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埋没コストを諦めるべき理由。

過去に引きずられて幸せですか?

 

単純な話、埋没コスト回避の意識は、未来を見ていない。

いや、当人たちは未来を見ているつもりなんだろうけど、実際には「過去」に着目している。

 

もちろん、当初走り出した時には、未来を見て方針を決めて進んでいたわけだから、未来を見ていないことはないのだけど、

「未来を見据えて」今の行動を続けることに意味があるなら、”せっかく頑張ってきたんだから”という過去は、着眼点にならないはず。

 

過去の頑張りを無駄にしたくない!

 

そんな「気持ち」「思い込み」のために、大事な未来を犠牲にする可能性がある。と思う。

 

ランナーによくある埋没コスト回避バイアス

「(脚痛いけど)せっかくここまで頑張って調子あげてきたんだから、ここで休んでしまったらもったいない。」

「(本来は5本で良いのに)せっかく競技場まで来たんだから、1000m5本だけじゃもったいない。7本ぐらいはやろう。」

「(調子悪いけど)エントリー代がもったいないから、とりあえずレースには出ておこう。」

 

過去のコストを無駄にしないために物事を決定する判断ではなく、

 

「脚痛いから(これまでのトレーニングはもったいないけど)回復のために休もう。」

「(せっかく競技場まで来たけど)5本が一番効果的だから5本で終えよう。」

「調子悪いから(エントリー代はもったいないけど)これ以上調子を崩さないためにも、レースは棄権しよう。」

 

未来を見て "必要であれば" 過去のコストはキッパリ捨てられるように、うまく心を整えておきたい。

 

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