こんにちは。ランニングコーチのいしざき(@zaki84920)です。
今日は、大事な話をします。
「サブスリーをするには、月間何キロぐらい走ったら良いんですか?」
「サブスリーをするには、月間400キロ走らなきゃいけないと聞いたんですが、やっぱりそのぐらい練習しなきゃダメですか?」
ランニングコーチ的なお仕事をしていると、この質問を本当に(本当に・・・)たくさんいただきます。
今日は、この質問に真面目に答えていこうと思います。
答え:人と内容による。
ありきたりですみません。
でも、これ大事なことなんです。
ただ「内容による」では書く意味がないので、数字に影響する4つの要素
- 年齢・性別・今の走力
- 絶対的な練習量
- 質の高さ(練習の上手さ)
- ランニングエコノミー
に分けて解説したいと思います。
※なお、この解説は科学的エビデンスや統計的な話云々は一切含まれません。僕が見てきた市民ランナーの方々(せいぜい100〜200人程度)をもとに、僕の考えを書いていきますので、あくまで個人の意見(肌感覚)として捉えてください。そんなにズレてはないと思いますが。
話の前提:年齢・性別・今の走力によって変わる
当然ながら「今の走力(フルの記録)」は重要です。
今3時間01分の人は、疲労を上手に抜くだけで達成できてしまうかもしれませんし、今4時間以上かかる人は同じ考えでは難しいので、それ以上の練習量をこなすか、遠い未来?の目標として考える必要があります。
もちろん男性より女性の方がサブスリー難易度は高いですから、同じようにはいきません。年齢も同様。
ここから先は、
- 現時点で3時間05〜10分ぐらい走力(サブスリーを目指せる状態にある)
- 25〜40歳ぐらいの男性(やればある程度伸びる年齢)
の場合を想定して、書き進めていきます。
1.絶対的な練習量の話
僕の知る限り、月間100km以内で3時間5分とか、月間150kmでサブスリーをしている人が数人います。
その方々に見られるのは、
「走る距離は少ないが、よく歩いていたり、筋力トレーニングを頑張っていたりする」
という事例です。つまり、走る以外のトレーニングができており、全体の練習量はそれなりに確保されているということ。
確か書籍では月間80km?でサブスリーとかいう事例(ごめんなさい、あんまり覚えてません・・)があったでしょうか。その書籍の事例では、走行距離が80km程度ではあったものの、バイク練習をかなりされている方だったと記憶しています。
手段として、走り込みだけでサブスリーを目指すのか、複合的なメニューでサブスリーを果たすのか、によって、必要な距離は当然、変わってきます。
走り込みだけでサブスリーを目指すのであれば、月間100〜150kmでのサブスリーは、ちょっと難易度が高いかもしれません。
2.質の高さ(練習の上手さ)の話
上手さってなんだよ、と思われるかもしれないので、もう少し解説をすると
- 無駄な距離を積まない
- 練習の目的に忠実になれるかどうか
大きくはこの二つに分かれると思います。
無駄な距離を踏まない、というのは、
例えば、疲労を抜くべき繋ぎジョグの場面で、予定以上に距離を走りすぎて疲れてしまったり(予定そのものが長すぎることも)、
ポイント練習のウォーミングアップなど、距離とは別の目的があるはずの場面で、走りすぎて疲れてしまうパターンなどが考えられます。
「走った距離は裏切らない」という名言が流行しましたが、無駄な走行距離は簡単に僕らを裏切ります。本当に。
もう一つの、練習の目的に忠実に、というのは、例えば
- リズムよくペース走をすると決めて走り出したのに、最後頑張って追い込んでフォームが崩れてしまった
- 距離走なのに後半余裕があったので、思いつきで最後の3kmをタイムトライアルしてしまった
といったように、
メニューが持つ目的ではない部分で、頑張りすぎてしまったり、
逆に集中力がなく出力を発揮すべきところで発揮できなかったり、
といったことを防げるかどうか、です。
サブスリーを目指すのであれば、トレーニングは全てレースに繋がっています。「30km走の27km地点でスピードを切り替える」みたいな、レースであまり活用できない能力向上のために疲労を溜めてしまうことは、非常にもったいないことです。
先ほどの「疲労を抜くJogのつもりだったのに疲労が抜けない走りで終わってしまった」も、同じようなものかもしれませんね。
3.ランニングエコノミーの話
もう一つ、記録と走行距離に大きく影響を与えるものが「ランニングエコノミー」です。
サブスリーを目指す人なら聞いたことのある言葉なので解説は割愛しますが、
「エコノミーが高い=フォームに無駄がない」
と理解してもらえれば概ね間違いありません。
当然、ランニングエコノミーが高い人(効率よく走れる人)であるほど、少ないスタミナでもサブスリーに近付くことができます。
ランニングエコノミーは、
- 持って生まれたもの
- フォーム改善意識による改善
- 筋力強化による改善
が影響を与えます。
1はどうにもならないし考えても仕方ないので、2・3を改善できるよう努力をすることで、少ない距離でもサブスリーを目指すことができます。
最初に解説をした「絶対的な練習量の話」の中で出てきた筋トレは、練習量の確保だけでなくランニングエコノミー改善にも役に立つ(ことが多い)ので、個人的にはすごーーくお勧めしたいです。
その他、バイクやウォーキング、水泳なども、その手法によってはランニングエコノミーの改善に繋がる場合がありますので、よく考えて実践されると良いと思います。
最後に:で、結局どのくらいなの?
今日は僕の肌感覚での解説なので、自由に書かせていただきますが、
半年前に3時間05分だった男性が、半年後に2:59で走ったとします。
その間の平均走行距離を聞いたときの、僕のリアクション(予想)。
※冒頭の通り25〜40歳ぐらいの健康で平均的な男性を想定していますので、性別・年齢・ラン歴等に応じて適当に加減してください。
※失礼な表現もみられますが、頭の中のセリフなので許してください。笑
100km/月 →ビックリ。かなり上手。どんな工夫をしているか聞いてみたい。
150km/月 →お、けっこうすごい。ちょっと話聞いてみたい。参考になる意見があるかも。
200km/月 →一般的な工夫(本とかで解説してること)をちゃんとやってる印象。
250km/月 →ある程度ラン年数やってれば、このくらいまでに抑えておきたいなー。
300km/月 →ちょっと多いかなー。無駄と言うには申し訳ないけど改善の余地はありそう。
400km/月 →走り込みしかしてないのかな。あと、着地のブレーキすごそう(偏見)
500km/月 →走り込み1本だとしても多すぎる。500kmってホントなのかな(ひどい)
600k以上/月 →謎。たぶんめっちゃ頑固。アドバイスしても多分聞かなそう(偏見)
結論①:100kmでいける人もいれば、500km走っても達成できない人もいる。人それぞれ。やり方次第。
結論②:その疑問が湧いている時点で、たぶんサブスリーはできない(偏見)
※完全に個人の意見です