こんにちは。トレイルランナー1年生、いしざき(@zaki84920)です。
新年度始まって、4月1日にいきなりレースです。
「ハセツネ30kって入門だって聞いたから、大丈夫かな?」なーんてちょっと気軽に考えていました(もちろん山なので、準備は入念に、ですが)。
甘かったですね・・。
結果
3時間33分56秒 95位/1446人
男子1000位以内(女子100位)に与えられる、10月の日本山岳耐久レース長谷川恒男CUPの優先エントリー権を無事獲得しました。
コッソリ狙っていた2桁順位もなんとか確保。ただ・・力不足を感じました。
レースのようす
レースは8:30にスタート。ピリピリした雰囲気はなく、なんだかワイワイ楽しそう。
スタートしてしばらくの間は、こんな感じでロード。
特に、5kmまでは上り坂も少なく、さながらロードレースの様相。
5km通過は20分42秒。
だいたい10kmぐらいかな?ようやくトレイルコースに入ります。
気づいたこと:トレイルランナーは、上り坂のトレイルコースをあまり走らない。
このレベルだからなのかもしれませんが、トレイルランナーの皆さんは、あまり上り坂を走りません。
皆さん、歩いてます(といっても速いけど)。
僕、普通に「トレイルランナーって走らんのや・・」なんて思いながら抜いていきましたが(ちゃんと一声かけてね)、
のちに、それが「トレイルの走り方」であることを思い知らされるのです。
そういえば、今日はなかなか暑い日でした。
日をさえぎる物がない場所は、けっこう暑さを感じながら走りました。
でも一方で、日陰になるとちょっと肌寒い。この辺の調整が難しい。
このレース、一応距離表示が5km毎に置かれているようなのですが、5km地点を通過してから既に1時間20分が経過しています(10km表示は見逃しました)。
「15kmも見逃しちゃったかな〜」
「もうすぐ5km通過から90分になるから、そろそろ20km表示が見えてくるかな?」
なんて思っていた、その時。
15km。ちーん。
ちょっと、これはキツイやつですよ・・・泣
もう既に痙攣始まってるし、まだ半分・・・そう考えると、生きて帰れるのか、すごく不安になってくる。
15kmを通過すると、いったんロード(下り坂)に出ます。
長い下り坂でペースを回復。痙攣もちょっと回復。あぁ、良かった。
20km。早い。笑
ほんと、トレイルを走っていると思うのは、ロードの5kmって、あっという間です。
トレイルの5kmって、平気で1時間とかかかりますからね。。
なーんて思っていると、また上り坂。
ちょうどここで、年度明けから東京に戻ってきたツンツン君に会ったので、この先のコース情報をもらいました(事前に調べとけ)。
いしざき「まだ山登るの?」
ツンツン「もういっちょ、デカイのありますよ。」
いしざき「(マジか・・泣)」
そしてまた、山。
今度は、全く走れない傾斜。
誰も走ってない。っていうか、どう頑張っても走りようがない。壁。
誰だ、ハセツネ30は入門だよ、だなんて言ってくれたのは!(たぶん誰も言ってない)
※余裕がないので、このあたり一切写真がありません。安全第一で。※
25kmで、完全に脚が終わってしまいました。
両の太もも(前)が攣ってしまい、ジョギングくらいしか出来なくなってしまいました。
この脚、トレイルの下りは恐怖そのもので、踏み外したら谷の底。
僕が死ぬだけならまだしも(それも迷惑ですが)、他のランナーまで道連れにする可能性だってある。
後ろから走ってくるランナーに、何度道を譲ったことか。
順位ではなく身の安全。遅かった自分への言い訳ではなく、しっかりとトレイルランに耐えられる脚が出来ていなかった時点で、そもそも参加資格は無かったような気がする。
なんだか申し訳ない気持ちになりながら、トボトボと下って行きました。
そして・・フィニッシュが見えてきた!
この写真の手前、ロードには出てきたものの、あと何キロあるんだろうか・・と思っていた時に、沿道の方から
「あとトラック一周分だよ!」
こんな声が聞こえてきました。
えっ?あと400m?(なんて的確な応援なんだ・・・)
やっと生きた心地がして、少し、テンションが戻ってきました。
あぁ、やっと終わる。
戻ってきた。
こんなに長い道のりになるなんて、スタート時には予想もしていなかったよ。
フィニッシュ。いえーい(テンション戻りすぎ)
先頭、2時間45分。自分、3時間33分。
初めての本格トレイルランは、ただただ、自分の力不足を思い知らされる結果となりました。
同時に、自然を相手にするトレイルランでは、自分の限界を超えてはいけない、ということを痛感しました。
走り慣れているトレイルランナーは、多くの方が、登りを歩いていました。
それは、レース全体のマネジメントそのものです。
今この瞬間を頑張ることだけが、正ではないということ。フルマラソンに、似ています。
さいごに・・安全を保証するのは誰か?トレイルランニングを殺さないために。
僕は、ハセツネ30を安全に完走できるだけの脚づくりをせぬまま、レースに参加するという、一つの”失態”をしてしまいました。
その意味で、僕はもう一度、山のレースに自分がもう一度参加するまでに、何をすべきか考え直さなくてはいけません。
今日のハセツネ30で、ヒヤッとする場面に2度、遭遇しました。
いずれも、追い抜き時の接触です。
そして、いずれも、追い抜く側は黙って追い抜いていました。
一つは急に出てきてビックリ、のパターン。もう一つは、転倒は無かったものの完全にぶつかってました(和やかに和解していたので、よかったのですが)。
ハセツネ30kで定められている[RESPONSIBILITY CODE]には、こんな項目があります。
前方を走っているランナーを追い越す時は一声かけ、安全なところで抜き去ること。
また、後ろから速いランナーが迫ってきたら、安全な方向に止まり速いランナーを通すこと。
追い抜きが発生する時には、抜く側、抜かれる側の双方が、安全第一で判断し、やり過ごすことが、求められています。
単に、ヒヤリハットの犯人探しをしたいわけではありません。
そもそも、山のレースでは安全保証はなく(まぁロードレースも同じですが、リスク度合いという意味で)、安全は私たちのリスクヘッジが作っているということ。
またそのリスクヘッジも「これさえやっていれば絶対に大丈夫」がありません。
誰も、安全なんて保証してくれません、。
記録、順位、限界への挑戦。
景色、木の匂い、鳥の声。
トレイルランには普通のランニングにはない、様々な魅力が詰まっています。
その魅力を最大限に感じることができる環境を作るのは、私たちランナーの配慮、つまるところ「想像力」だと思っています。
よくそれを「マナー」と表現することがありますが、僕はその考え方は好きではありません。
マナーを守っていれば良いのではなく、相手のこと(と山の環境)を考えて想像することが重要なはずです。
- ここで抜いたらびっくりさせるかな?
- 右から抜いた方が安全かな?
- 今止まったら危ないかな?
こういった配慮、リスクヘッジ、想像力。
「全ての人にその能力を!」と唱えるのは簡単ですが、現実そうはいきません。
想像力は能力ですから、個人差があります。
残念ながら、それが現実です。
スポーツがマイナーなうちは、そのスポーツに必要な能力を持った人だけが集まります。
しかし、スポーツがメジャーになっていけばいくほど、そうでない人たちが沢山、流入してきます(たぶん僕もそちら側なんでしょうけど)。
このスポーツを殺さないために、自分がどう動くべきか。
トレランだったら、交通安全、身の安全、山の保護。
それを理解しない人や、理解していても行動できない人が増え続け、制御が効かなくなった時、
トレイルランニングは、スポーツとしての寿命を迎えるのだと思います。
このスポーツの新参者として、僕ももう一度、考え直さなくてはいけません。