こんにちは。トレイルランナーいしざき(@zaki84920)です。
昨年に引き続き、12月14日は養老山脈トレイルランに参加してきました。
6位までの総合入賞は逃してしまいましたが、なんとか年代別入賞(総合入賞者を除く上位3名)を確保することができました。
喜べる結果ではありませんが、「安堵」という感じ。
昨年の38kmから3kmほど伸びたロングコースですが、最後の最後に大きな壁が待っていました・・・。
養老山脈トレイルランは林道攻略がカギ
このレース、とにかく「走れる(走らされる)コース」が僕らを苦しめてくれます。。
※以下、写真はイメージです。レース中に撮影ができなかったので。。
▼最初の10kmはダラダラ上る林道+トレイル。
▼10kmから22kmエイドまでは、車も通れるぐらいの広い林道(当然すべて走る)。
▼22kmからトレイルに入りますが、26kmまでは緩やかな下り基調のコース。
▼本番は26kmから始まる階段の連続コース。
大した段差ではないものの、走るには狭すぎる階段を1段飛ばしで行けるかどうかがスピードを左右するため、
中間までの林道が走りやすいからといって、飛ばしすぎてしまうとこの終盤に痛い目に逢います・・
まさに昨年の僕が「それ」で、林道区間で結構飛ばしながら総合6位争いに加わっていたものの、トレイルに入った22km過ぎで早速痙攣が始まってしまい、26kmからの上りは歩きっぱなし・・
今年は「前半飛ばさないリベンジ」を決め込んでいました。
(おそらく、似たような失敗が多かったのでしょう・・今年のスタート地点では「林道を飛ばすな」というアナウンスが多数聞こえました。笑)
序盤は平和に
そんな昨年の失敗から、前半は可能な限り「無理をしない」ペースで巡行。
あまり抑える意識が強すぎると、変にブレーキをかけることにもなりかねないため、
イメージとしては「自然なペースで」走るようなイメージを心がけました。
序盤はそれぞれのペースで走っていたものの、10kmから始まる林道の手前で、7~11位あたりのメンバーが近い位置になり、集団が形成されます。
人それぞれ、上りが得意な選手、下りが得意な選手があり、区間によって多少のバラつきはあったものの、概ね一つの集団で22kmのエイドまでを進みました。
僕はというと、実はこの集団の中で、招待選手のSさんという方が「練習不足だから序盤はマイペースで」と言っていたため、Sさんに付いていかせてもらうことに。
ペースは非常に安定していて、上りも下りも気持ちよく、走り続けることができました。
Sさんはとても気さくな方で、レース中いろんな場面で僕に声をかけてくれました。
「まだあと25kmもあるからねぇ~頑張りすぎないようにね!」
「良い景色だね~!フゥ~!!」
と、、元気づけていただき、僕もお話ししながら進むことでレースを忘れて、余計な力を使わずに済んだような気がします。
26km地点で、僕が居た集団は7~9位を形成する3名の集団。
スタッフの方から「6位とは3分差だよ!」とお声がけいただき、ちょっと雰囲気が変わる。
ここでSさんが前に出る。「3分詰めてきます!」
おぉ、カッコいい!と思いながらも、僕にはついていく勇気がなく、しばらく静観。
もう一人のFさんも前には出ず、僕とFさんの二人で走る状態が続きました。
おそらく10分ぐらい経ったころ、Sさんが落ちてきて僕らの集団に吸収されました。
Sさん「勇んで出てみたものの、キツイっすわ・・笑」
うん、そうだよね、この階段の連続、絶対きついよね。
で、誰も前に行こうとしないので、ここは出るしかない!と思って僕が前に出ました。
ぼく「行ってきます!」
・・で、そこから10分ぐらいは前を進んでいたものの、だんだんと力尽きてしまい、力を溜めていたと思われるFさんに抜かれる。
そこから間もなく、前半に12位あたりで力を溜めていたMさんにも抜かれ、僕とSさんは9-10位を進む。
距離はおよそ30km、徐々に僕の脚が痙攣を始めました。
最初は内転筋。上りの階段区間で一番ピクピクくるやつ。
なんとか必死にSさんに付いていくものの、痙攣は、おさまったと思ったらすぐに別の場所に出現する。。
僕が前を走っている場面で、下り坂で足を滑らせ、ふくらはぎを攣って身体が半回転。。
Sさん「大丈夫?」
ぼく「痙攣が・・・色んな場所に出てきちゃって・・」
Sさん「お互い、仕上がってますね(笑)」
ぼく「www」
Sさん「今からでもジェルを摂った方が良いよ。エネルギーあると変わるから。」
なんとありがたいお言葉。余っていたもう一つのジェルを一気飲み。
痙攣はすぐには改善しないけど、少し体力が回復したような気がする。
キツイのも、脚が言うことを聞かないのも、みんな同じだよね。
このレースのピーク「養老山頂」
このレースのピークである養老山頂は、僕が前で通過。
数秒後ろでSさんが通過したけど、たぶんお互いに千鳥足。。
次の絶景ポイントである小倉山が最後のピークだと言われ、痙攣とギリギリ戦いながら絶景を堪能し、さぁ下るぞ!と勢いよく下り始めたら、
スタッフ「ここは左に進んでくださーい!今年は左でーす!」
左を見ると、どう見ても上り階段(終わりが見えないタイプの)。
そう、昨年から伸びた「3km」とは、この区間のことだった・・・
ぼく「え・・・もうピークは終わったんじゃないの!?!?」
スタッフ「いえ!まだそこそこアップダウン続きます!」
「万事休す」とは、まさにこのこと。
小倉山過ぎたら下れば良い、と思っていた僕も脚は完全に言うことを聞かず、僅かな上り坂でも歩くことしか出来ず、、
Sさんにもアッサリ抜かれ、10位に転落。でも頭の中は、順位はどうでも良くて、とにかく早くアップダウンが終わってくれ・・・!
幸いにも、それ以上順位を落とすことはなく、長い長い迂回区間をようやく終え、最後の林道に出る。
看板「あとは長い林道だけ!」
ぼく「・・今度こそ、本当だろな!??」
行き場のない怒り(ごめんなさいw)は看板にぶつけたつもりだけど、ただデカい独り言を叫んでいるおかしな人。
「いやいや、お前がエントリーしたんやないか」とツッコミを受けそうな展開に悲しくなりながら、
自分が年代別入賞のボーダーラインに居ることも何となく理解していたので、頑張って下る。
しかしこの林道、道はデコボコ、石はゴロゴロ、そして所々が落ち葉で見えない。
たまに足を踏み外したり、石を踏んで痛かったりと、なかなか厳しめの「あとは下るだけ」でした。。
(そして長い・・たぶん5kmぐらいあったでしょう)
長い長い林道を終え、ようやくアスファルト区間へ。
「あと2km」の看板が見えたあたりで、前を走るのは、前半から僕に声をかけ続け、励ましてくれたSさん・・!
ぼく「あっ・・これ抜いて良いのかな・・」
とはいえ、僕も既に脚が終わり、逆にブレーキもかけられず、スピードがコントロール出来ていませんでした。
ぼく「ずっと引っ張ってもらったのに、ごめんなさい!」
Sさん「おぉ!良いんだよ!がんばれー!」
Sさん、どこまで良い人なんだ・・
そして、最後のロードもひらすらダッシュ、かと思いきや、少しコケむした、滑りやすい階段が所々に出現。段差も小さく、走りづらい。終わった脚には苦しい道でした。
本当にスパートできるようになったのは、残り1.5kmぐらいかな?
ショートの部の先頭が前から向かってくる時間帯になり、中学の後輩マッツンともハイタッチし、元気をもらってラストスパートへ。
一人ひとり、名前を呼んでもらえるフィニッシュライン
養老山脈トレイルだけではないと思うけど、トレイルランのレースでは、フィニッシュ時に名前を呼んでもらえる事が多いです。
今日も、ラスト100mあたりから、自分の名前を呼んでくれているのが分かりました。
酸欠?脱水?で痺れる両手を広げて喜びのフィニッシュ!もつかの間、すぐに動けなくなってしまいました・・。
完走記録証を取りに行くこともできず、スタッフの方が水と一緒に持ってきてくれて、
フィニッシュ地点でそのまましばらく、休ませていただきました。
そんなことをしている間にSさんもフィニッシュ。レース中のお礼を伝えるとともに、お互いの健闘を称えあい、
周りの仲間の方々と楽しい会話をする、素敵な時間を過ごさせていただきました。
結果、昨年と全く同じ「総合9位・年代別2位」でした。
同じような、二年分の結果。
総合9位、年代別2位。成長を目指すって、簡単なことじゃないなぁ。 pic.twitter.com/zAXEDnGXeZ
— zaki(いしざき) (@zaki84920) December 15, 2019
ただその結果以上に、同じ山を走る皆さんとの関わり、つながり、そして感謝の印象が強いレースとなりました。
さいごに
養老山脈トレイルのコースを2度走った感想。
後半の難しさについて、階段の高さやアップダウンを単体で見ると、絶対に大したことのないトレイルなのですが、
前半にあれだけ長い林道を走り続けてしまうと、身体のリズムがおかしくなって、後半のコースが上手に走れない。
「痙攣した」「もう脚が動かなかった」
といった声が、上位の選手たちからも多く聞こえてきました。
以前、彩の国100mileレポートでも書きましたが、やっぱりトレイルランニングのコースは、距離や獲得高度、高低差図などのデータでは測ることのできない、
そのコースの、その山の個性があって、挑み甲斐があるんだなぁと、改めて感じました。
また、今回のレースでは序盤からSさんの声掛けのおかげで、僕は元気をもらうことができたし、
もっと前のほうでは、両足痙攣で動けなくなった選手をサポートし、安全な場所まで同走する、といった行動も見られたようです(それで二人とも総合入賞しているのがすごい・・)。
レースは勝負でありながらも、山の中は常に危険と隣り合わせで、助け合いが必要。
どちらかと言うと、勝負よりも助け合いがベースとなってトレイルランは成立し、その上でレースをしているんだと、改めて思い知らされるエピソードでした。
その心構えを忘れず、これからもトレイルランニングを楽しみたいと思います。
Special Thanks!
「競技者の足のストレス軽減に注力したエンデュランス用ソックス」
2019年は一年間、インナー・ファクト社のアンバサダーとして、インナーファクトのソックスを履いてトレイルランを続けてきました。
長いレースで足がふやけにくい速乾性、皮膚へのストレスが起きにくい縫い方、でも速いピッチで飛ばす時にも安定した生地の吸いつき。
今回のレースでも、僕の足元を支え、ノントラブルでレースを終える原動力となりました。
養老山脈トレイル 30歳台男子の部。
インナーファクターがワン・ツーでした!
今度は総合で目指したい笑#innerfactトップの松山さんは、インナーファクトトップアスリート。一年間のまとめは必読!https://t.co/xDH8lbfLpA pic.twitter.com/fb7yOHc0u8
— zaki(いしざき) (@zaki84920) December 15, 2019